技術文献紹介


ダイカスト金型のヒートクラック対策

リョービ(株)佐々木英人、石倉 元、喜多村光朗、菅波宏哉
型技術16巻第9号(2001年8月号)

 ダイカスト金型にヒートクラックが発生するとAl合金が侵入して余肉(ヒートクラック余肉)となり、外観品質を損なう。 そこで、パソコン用ハードディスクケースの金型を対象にしてヒートクラックの発生傾向や発生要因について調査し、その対策方法について検討した。 ヒートクラックは量産開始の初期段階ですでに発生しており、3万ショットまでは急激にヒートクラックが成長し、それ以降はほとんど成長しないことがわかった。 また、ヒートクラックの発生箇所はコーナーフィレット部に多く、フィレットが小さいほど発生しやすい傾向にある。 対策として、(1)外冷廃止及び内冷媒体をオイルに変更、(2)窒化とショットピーニングの組み合わせ、(3)放電加工層の改善、(4)フィレット部のRの拡大、(5)型材の変更等を行った。 そして、(4)、(5)に大きな効果があるが、表面処理を試作前に実施することで初期のヒートクラック発生を送らせることが重要であると述べている。
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